安倍政権の倒れるまで

世の中に 安倍政権の なかりせば 人の心は のどけからまし

 

秘密保護法から安保法案(戦争法案またはアメリカ軍お手伝い法案)まで。さらには国威発揚、愛国精神の高揚を狙った独裁政治への道を開こうとする教科書の作成をはじめ、大学への介入。まことに一般市民には背筋の凍るような戦争への傾倒。そして、その延長上にある核爆弾を作るためには欠かせない原発の再稼働。一部のアメリカ高官でさえ危惧を抱いているようだ。

今年までに曲がりなりにも70年間戦争をしない国として、世界から尊敬の眼差しで見られていたこの国を、たった一内閣の閣議決定で、安倍の望んだ戦争の出来る「普通の国」に貶めてしまう。

平和憲法を守り世界平和を実現していくという壮大な夢を叶えるには大変な努力と覚悟が必要であるが、それを国民に代わり実現していくのが政治家であろうし、政治家としての夢ではないのか。もっとも、自民党議員の大半はそんなことなど考えず、株価を上げるために経済を活性化させようと戦争したかったり、自身の利益の為に政治家になったのだろうかもしれないが。公明党議員は創価学会での自分の地位のことしか考えていないだろうが。

また、フクシマの検証もないままの川内原発の再稼働について、神道政治連盟「神政連」の議員たちはどのように考えているのだろうか。神道は、自然そのものを神とし、自然の恵みを大きく受けるためにその和魂を祀り、脅威を避けるためにその荒魂を鎮め祈る。自然との共存が一番大きなテーマであるはず。

原発からは、この自然界に存在しない危険な物質が吐き出される。火山が噴火したり、大水により氾濫が起きても、その災害の後には豊かな実りが待っていたりするが、原発がいったん事故を起こすと、その痕は荒廃だけで何も実らない。これこそ神道に反する構造物である。しかもその毒は何万年も消滅せず子々孫々にまで影響する。安倍内閣と自民党の要職には神政連所属者がほとんど。なのに、原発推進とは。戦争のない民主的で主権在民の国家を目指す日本を、再び独裁的で好戦的な“普通の国”にしようとしている。日本人の自然を尊び畏敬する伝統的な考え方に逆らう神道を奉ずる政治屋たちが早く退場することを切に願う。

 

そうなれば、在原業平が 世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし と風雅に詠んだように、日本人の感性と優しさに溢れた、桜の散るを惜しむ心情を心の底から楽しめる喜びが戻ってくるのだが。